【R+】レビュー:「スノーデンファイル」ルーク・ハーディング(訳:三木俊哉)

こんにちは。
@pooh_1960です。

R+(レビュープラス)さんからの献本枠でのレビューです。

まさに「事実は小説よりも奇なり」…手に汗握る世紀の大リーク物語

これは久々に興奮しました。
読み始めたらやめられなくなる、下手な小説とは比べ物になりません。

エドワード・スノーデンによって明らかにされた衝撃の事実。
私たちが、いまもなお毎日利用し続けている身近なWebサービス、インターネットでやりとりする情報がことごとく無差別に米国政府に監視されているということ。
その事実が明らかになってから1年。
時間間隔が麻痺してしまったのか、もう遠い過去の出来事のようにおもっていましたが、まだ1年なのです。

もし、エドワード・スノーデンによるこのリークがなければそうした動きは抑えられることなくアメリカ国民だけではなくインターネットユーザーである世界の市民は丸裸にされ操られ続けていたことでしょう。

この本では、エドワード・スノーデンという人物はもちろん、彼が何故、どのようにこのとてつもない行為を成し遂げていったか。
彼が情報提供先として選んだジャーナリストたちの証言を基に時系列で描かれるストーリーはスリリングで興奮させられます。

政府の秘密を暴露するなど、国家に反逆することにもなるリーク(内部告発)をするとは、左寄りの人物を想像するかも知れませんが、エドワード・スノーデンは「共和党の中でも右寄りとされるリバタリアン、ロン・ポール議員の支持者である。」
そんな彼がなぜリークに及んだのか。
国家による干渉を嫌い自由を尊ぶ(でも嫌なやつでもあるのだが)、かれの信念にも敬服。

そのリークを報道するジャーナリスト、メディア(「ガーディアン」)にとってもリスクの大きさは図り知れないもの。
危険を冒しスノーデンファイルを公表したジャーナリストたちの信念・心意気。
これは、巻頭に掲げられた破壊された「ガーディアン」のコンピュータの写真を見るだけでも感じられる。
秘密保護法、有事法制が成立し、見事に翼賛化した報道を続ける日本のメディア・記者たちの姿勢とは対極をなすもの。

個人と国家の関係、そこに存在する情報やその流通を支えるインターネット・ITのありよう、それらとの私たちの付き合い方・関係性について、考えていく上でも貴重な記録。

ぜひ多くの人に読んで欲しいと思います。


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