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レビュー:「日本語を味わう名詩入門 12 草野心平」

読書

こんにちは。
詩を読むのは好き @pooh_1960です。

2012-10-21 12.07.10_s

萩原 昌好 編「日本語を味わう名詩入門 12 草野心平」

草野心平の名はもっぱら文学史の中で接してきただけ。
実際の詩作を読むのは初めてだった。
本書は初期の作品『第百階級』の中の一篇「秋の夜の会話」からはじまる。
蛙の詩人、とも呼ばれたそうだ。蛙の気持ちになり、人間の世界を照射する。
その眼差しのするどさ、でも、どこかユーモラスな語り口も面白い。
子どもから読める入門書、一篇一篇に短い解説がありその詩の世界の理解を助けてくれる。

言葉のリズム、表現がおもしろい「春殖(しゅんしょく)」
しんしんと降り続く雪の風景が目の前にあらわれてくるかのような、「ゆき」
そして、言葉の解釈の観点がうならせる「百姓という言葉」

の3つが特に心に残りました。

「百姓という言葉」の次のような一節からはじまります。

百姓という言葉はいい言葉だ。
一人で百の姓をもつ。
その豪儀。
その個と。
連帯。

自立した個と個のつながり。
生命(いのち)を大切にしていく世の中でありたいと、あらためて思いました。

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