学校 マロニエ通りからアーチをくぐって/普後 均
我が母校、文化学院 の、解体されてしまった旧校舎の姿をとどめた写真集。
昨日 2010年2月28日発売
撮影は写真家 普後 均 氏
同じ2006年に姿を消すこととなったコダクローム64フィルムにとりとめたもの
文化学院(よく文化服装学院と間違えられますが全く違います)は、1921年 西村伊作によって設立された私学。
設立には与謝野寛・晶子夫妻、画家 石井柏亭などが関わっています。
大正自由主義教育の流れをくんだ、自由で進取の気質にあふれた学校。
1937年神田駿河台に建設された校舎は、アーチ型の入り口を持つこじんまりとした小さなロの字型の建物。
2004年、2005年フジテレビ系列で放送されたドラマ「離婚弁護士」で、天海祐希演じる主人公 間宮貴子法律事務所の外見、および中庭として使われたこともあり、目にした方も多いはず。
2006年に建替えがきまり解体、現在は13階建てのビルに生まれ変わって、いるそうです。
解体前の旧校舎の最後の姿、すでに解体がきまり荷物は運び出され人気のない校舎、をとらえたのがこの写真集
アーチ、中庭、教室、ツタの絡まる外壁、がらんとした講堂、美術科の学生がデッサンしたのであろう動物の頭蓋骨、錆びた外階段の手すり など、全部で69葉の写真
光と影、ひっそりとたたずむ写真の中の学校、しかし、その1枚1枚から、学生たちのざわめきが聴こえ、教壇に立つ先生の姿が頭の中に浮かび上がってきます。
とてもすてきな写真集です。
文化に関わったみなさまにはぜひ手に取って欲しい一冊です。
実は、ほんの少しだけですが、この写真集の誕生に関わっています。
文化学院について、経営が変わる、校舎を解体し立て替えられるらしい、という話しを耳(目)にしたのは 2006年2月たしか、mixi の文化学院コミュ でのこと
そこで、東京在住の先輩なら、ちゃんと卒業した先輩なら学校からの連絡などきているのかもしれない、詳細を知っているのではないかと、ちゃんと卒業していない私は考え連絡をとってみたわけです。
しかし、学校からの連絡もなく先輩もその時はじめて知ったとのこと
その先輩が、この写真集を編集された清水雅晶 さん
「知り合いの写真家に写真を撮ってもらう」「写真集つくるから」とその当時電話で話されていました
そうして、今ここに、この写真集があります
実は、私も学生時代は編集者になるのが夢でした
こんな、ささいな関わりでも、とても嬉しく、夢がかなったような気分です
関連エントリ
・文化学院|2006/4/6
・マルクス家の告白ゲーム|2006/8/24
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