読書

森絵都『アーモンド入りチョコレートのワルツ♪』(角川文庫)

森絵都さんの作品。
タイトルに惹かれて、米原万里さんの本を注文するついでに購入しました。
森絵都さんをはじめて読んだのは、長男が学校の図書館から借りてきた「カラフル」
とても感銘を受けました。
その後、なんとなく読まないまま今まできてしまいましたが、久しぶりに手をとったのがこの一冊。
3つの短編が収められています。
下記の通り、3作品それぞれが、クラシックのピアノ曲がモチーフになっています。
各タイトルの直下がモチーフとなっている曲。それ以降は作品中に登場した曲です

アーモンド入りチョコレートのワルツ♪ / 森絵都(角川文庫)
「子供は眠る」
  ロベルト・シューマン<子どもの情景>より
   メンデルスゾーン<無言歌集,春の歌>
   モーツァルト<ピアノソナタ第十一番,トルコ行進曲付き>
「彼女のアリア」
   J・S・バッハ<ゴルドベルグ変奏曲>より
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」
   エリック・サティ<童話音楽の献立表>より
    リヒナー<ジプシーの踊り>
    ベートーヴェン<月光>
    サティ<ピカデリー>

どの作品も、子どもから大人の中間で、ゆれうごく心が、作者のやさしいまなざしで描かれていて、ちょっと、胸がきゅんとして、切なくなりますが、とても優しく、ピュアな気持ちにさせてくれます。
一人ひとりがかけがえのない存在であること、周りにとらわれず自分の目で人を、物事をみること、そして、想像する・人の心を立場を思いやること、あたりまえだけど忘れてしまいがちなことを気づかせてくれます。
対象としてはいわゆる、ヤングアダルト、という範疇になるのでしょうが、心の硬くなった大人たちにこそ読んで欲しいと思います。
子どもたちを追い詰めてしまっているのは、やはり大人ですからね。
一編一編が短く、難しい言葉もつかわれてはいないので、普段あまり本を読まない、っていう子でも読めるはず。
とても、愛おしく、なんども読み返したくなる作品集です。
夏休み、おすすめの一冊です。
モチーフになっているピアノ曲でも聴きながら、ゆっくりとどうぞ。
音源など

華麗なるクラリネット・アンサンブル X|東京クラリネットアンサンブル前のページ

激流の中へ〜スティーヴン・ライニキー作品集次のページ

ピックアップ記事

  1. 「岩城宏之メモリアルコンサート2018」
  2. 「がんばれ! Shion応援団」に入団しました。吹奏楽を愛するみなさん、ぜひご一…
  3. 元「パティスリー・ラ・ナチュール」の建物解体終了!
  4. 御経塚遺跡出土土器の文様がオープンデータ化され利用できるようになっています
  5. 神奈川フィルさんの「フォロワーさん減った」嘆きのツイートに対するオーケストラさん…

関連記事

  1. 読書

    『ピアノ調律師』M.B.ゴフスタイン

    ちょっと心に響く本(絵本)読みました。ピアノ調律師/M.B.ゴ…

  2. 茨木のり子の家

    本・雑誌

    「茨木のり子の家」 詩 茨木のり子

    こんにちは。@pooh_1960です。「自分の感受性く…

  3. 読書

    【R+】つぶやき進化論 「140字」がGoogleを超える / エリック・クォルマン

    今回もレビュープラスさんから献本頂き、読ませて頂きました。つぶ…

  4. 読書

    DIVE!! / 森絵都

    DIVE!!/森絵都「飛び込み」という競技を通して成長していく少年た…

  5. 読書

    MacPeople250号記念!!読者モニターに入選!

    先日、MacPeople(マックピープル)2月号に掲載されていた読者モ…

最近の記事

PAGE TOP