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レビュー:「原発事故20年―チェルノブイリの現在」 ピエルパオロ・ミッティカ

こんにちは。
@pooh_1960です。

日本人は、人類はなぜ同じ過ちを繰り返すのでしょう。
経験も体験も、過去の歴史さえも読み取れぬ、これこそが情弱なのではないか、と思います。

この本を読んで、そんなことを痛感しています。

原発事故20年―チェルノブイリの現在

2011年11月に邦訳が発売された本書。
もちろん、2011年3月11日を受けて発売が決まったものでしょう。

ブクログに登録しておいたまま、今回ようやく手に取りました。
以下、ブクログに書いたものそのままですが…

著者は、普段は歯科医として働いているという イタリア人カメラマン、ピエルパオロ・ミッティカ。
タイトルの通りチェルノブイリ原発事故から20年後のチェルノブイリの姿をとらえた写真集。

著者も前書きでふれているように、このチェルノブイリの今の姿が、フクシマの未来の姿、そして、このままの原発推進政策を続けたさきにあるこの世界の未来の姿と重なってみえてしまう。

巻末には歴史家ナオミ・ローゼンバウム、生物学博士ロザリー・バーテル、ドキュメンタリージャーナリスト ウラジミール・チェルトコフによる寄稿が収められていて、チェルノブイリ事故が人々にもたらした被害の状況や、これまでの世界の、国連を中心とした、原発政策、事故対応について知ることができる。

ぜひ、多くの人々に手に取ってほしい一冊。

「原子力産業はチェルノブイリ波の破局を毎年繰り返す恐れがある」。チェルノブイリの事故発生から4ヶ月後の1986年8月28日、当時のIAEA事務局長ハンス・ブリックスは、このように述べた。この25年間でチェルノブイリの事故が原因で亡くなった人は、百万人以上を数える。
「福島第一原発の事故はあったが、世界的に原発は増え、原子力の利用はこれから何十年も広がっていくだろう」。福島原発の事故発生から4ヶ月あまり経った2011年7月27日、現在のIAEA事務局長の天野之弥は、このように語った。
25年が過ぎて、悲劇は繰りかえされた。この先福島の原発事故で何人が犠牲となり、盲目的で邪悪な、自らの非を認めようとしない原子力政策のために苦しみ、死んで行くのか。すべては未来になればわかることだ。

出典: ピエルパオロ・ミッティカ「原発事故20年―チェルノブイリの現在」 8~9ページ

ブクログで満点にせずに☆1つ減してあるのは、翻訳文、とくに巻末の寄稿文の日本語としての読みにくさを感じたため。

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