「ヒバクシャ-世界の終わりに」の監督、鎌仲ひとみさんに、金聖雄(きむ・そんうん)さん、海南友子さんの3名によるドキュメンタリー論。
それぞれが自身の作品をもとにドキュメンタリーとは何か、なぜドキュメンタリーなのかを語っています。
と、ともに、メディア・リテラシーの実践的な、わかりやすい教科書ともなっています。
学生時代にアクセス権、知る権利、について学習、議論していた時の想いを、思い起こさせてくれた一冊でもあります。
鎌仲監督が紹介しているアメリカ「ペーパー・タイガー・テレビ」のキャッチフレーズ、
「Where your brains are?」-「あなたのおつむはどこにあるの?」
マスメディアから大量に流される情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考えること。
その情報は、誰が発信したのか、別の視点はないか、よーく考えてみましょう、ってことです。
ついつい、何も考えず受動的に受け入れるばかりになってしまっている、その傾向が最近ますます強まっている感じがします。
それでなきゃ、僅か敗戦から60年で、こんな戦前のような状況に逆戻りしません。
自分自身実際に観たのは鎌仲監督の「ヒバクシャ」のみですが、金監督の「花はんめ」、海南監督の「にがい涙の大地から」も、この本を読んだだけでも、大いに心奮わせられます。ぜひ近いうちに観たいなぁ。
観てからでも、観る前でも、ぜひ読んでみてもらいたい一冊です。
ドキュメンタリーの力
posted with amazlet at 05.08.03
鎌仲 ひとみ 金 聖雄 海南 友子
子どもの未来社 (2005/03/22)
売り上げランキング: 57,973
子どもの未来社 (2005/03/22)
売り上げランキング: 57,973
おすすめ度の平均:
この本自体が良質なドキュメンタリー
関連リンク
映画「ヒバクシャ」
映画「花はんめ」
映画「苦い涙の大地から」
ビデオ・アクト
コメント
「リトル・バーズ」と「ヒバクシャ」■二つの映画にインパクトを…
この夏、長崎市では非常に重要な作品が2本公開された。ひとつは7月30日の日記に書いた「ヒバクシャ 世界の終わりに」。そしてもうひとつは「リトル・バーズ-イラク 戦火の家族たち」。後者は2003年3月20日の空爆以降のイラクを描くドキュメンタリーである。…